今シーズン最後の大会で学んだポジティブシンキングとユーモアの大切さ
今年は三寒四温がより激しいですが、それでも春本番となってきました。マラソンシーズンもそろそろ終盤です。3月24日、私は今シーズン4回目、最後のフルマラソンとして、高知県で16th 四万十川桜マラソンを走ってきました。四万十川のマラソン大会というと高知でもウルトラマラソンと思われますが、100km大会は10月です。また四万十川は長く、場所も大きく異なります。桜マラソンは土佐街道と呼ばれる上流の秘境四万十川沿いを、延々と続く桜並木の下、菜の花を見ながら走ります。このマラソン大会はともかく、雨が多い大会で、桜の開花は運しだい。私は昨年から参加しましたが、スタート時は雨、しかしすぐに曇りとなり、桜は満開という比較的ラッキーな大会でした。しかし何とか美しい晴れの清流と桜を見たいと申し込んだ今年は、数日前からずっと土砂降り。当日も土砂降りの上、雷警報も発令されていました。エントリー数1184名で、出走は828名(大会HPより)、約20%にあたる248名がキャンセルしたのもうなずけます。かくゆう私も迷ったのですが、高齢者率の高い過疎地で雨の中、運営してくださる方たちのことを考えると、ともかく出走しよう、ハーフまではともかく走ろう、と自分をふるいたたせました。
とはいえ朝5時半、高知駅始発列車の窓を容赦なく雨粒がたたきつけます。乗車中の2時間20分、雨は更に強くなり、テンションはダダ下がりでした。終点の窪川駅を降りるのは、ランナーばかり。スタートの小学校を目指して深く傘をさし、皆もくもくと歩いています。そんな中、前方に傘をささずに、カッパ姿ですでに走る格好をした2人の若い女性がいました。私が追い抜く時、二人の本当に楽しそうな、はしゃいだ声が聞こえました。「イェイ!これから長い水遊びができるぞ!やったー!」なんと、ポジティブ! 思わず笑ってしまい、その言葉で気持ちを一気に明るく切り替えてもらえ、会場に入りました。
スタート直前、大会事務局から「本日は雷警報も発令されおりますが、大会を開催することとしました。しかしコースに出れば雷を避ける避難場所はありません。皆さん、各自でご対応お願いいたします」とのアナウンス。思わず心の中で「どう対応すればいいの?」と突っ込みをいれつつも、「そうだよね。秘境と呼ばれる自然の中を走るのだから。しかし、わざわざアナウンスする?」とこれにも笑いが出ました。
スタート直後、沿道で応援してくれていた高齢の女性が「雨でごめんねぇ!」とランナーに何度も謝っていました。驚きと笑いで思わず「大丈夫!ありがとう!」と叫んだのですが、たっぷりパワーをもらいました。
その後、緩やかなアップダウンを走っていると、私の前を走っていた中年男性が、雨の中コースに立ってくれていたスタッフに「坂道ばっかりで走りにくい!」とぶつけるように言い捨てて、走り過ぎました。私は「自然コースの大会に申し込んで、そんなこと、言う?それも魅力なのに」とビックリ。なぜか、スタッフは「ありがとうございます」と答えたのですが、その言葉は後ろを走っていた私に届きました。私も「ありがとうござます」と答えたのですが、「ネガティブは毒だ」とつくづく感じた瞬間でした。
ゴールまでずっと雨でしたが、日焼けしない、走りながらクーリングできる、お風呂に入らなくても汚れが流せる、雨にけぶる四万十川は美しい、と良いことばかりでした。おかげで疲れも汚れもさほど気にならず、着かえただけで、その夜、高知駅から同級生のコミックバンドライブに直行し、2時間お腹を抱えて大笑いし続け、本当に身も心も満たされた一日となりました。
四万十川 沈下橋(水量が増すと沈下する橋)こんな橋が四万十川にはあちこち。
夏には子どもたちがこの橋から飛び込んで遊んでいます。夏の風物詩です。